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Soundproofing & Acoustics Glossary

防音・吸音・音響の用語集

検討時にお客様からよくご質問をいただく 防音・吸音・音響に関する用語 を、現場目線でやさしく解説しています。
ご相談の前にざっと目を通していただくと、打ち合わせがぐっとスムーズになります。

最終更新: / 監修:マヤ商会株式会社

基本のキ

防音(ぼうおん)
音に関する不快を減らすための工事や対策の総称。「外への音漏れを減らす(遮音)」と「室内の反響を整える(吸音)」と「振動を伝えにくくする(防振)」を組み合わせて行います。「防音工事」と一言で言っても、目的によってアプローチが大きく変わります。
遮音(しゃおん)
音を通しにくくすること。壁・床・天井の質量を増やしたり、開口部(ドア・窓)を二重にしたりすることで実現します。「外への音漏れを減らす」「外からの音を防ぐ」場面で使う言葉。質量と気密が肝。
吸音(きゅうおん)
室内の音の反射を抑えること。グラスウール・ロックウール・ウレタン・繊維系パネル等に音を吸収させて、エコー・反響・共鳴を減らします。マヤ商会が最も得意とする領域で、用途(歌/配信/楽器/シアター)ごとに「吸い方」を設計します。差し目地工法のデザイン吸音内装もご覧ください。
防振(ぼうしん)
音の振動が建物の構造体(床・壁・配管)を伝わらないようにする対策。ドラム・ピアノ・足音・室外機など低音域・打撃音は遮音だけでは抑えきれず、防振が決め手になります。浮き床・防振ゴム・アイソレーション等の手法があります。
音響(おんきょう)
「音そのものの聞こえ方」を整える設計領域。残響時間・定在波・周波数特性などを意図的にコントロールして、用途に合った音場をつくります。「防音」が"漏らさない・入らない"の話なら、「音響」は"心地よく聞こえる"の話です。

性能指標(数値)

dB(デシベル)
音の大きさの単位。20 dB 下がると音圧は1/10、40 dB 下がると1/100に。日常会話は60dB前後、ささやき声は30dB、深夜の住宅地は40dB以下、ピアノ演奏は90〜110dB(楽器・打鍵による)。dBは対数スケールなので「20dB下がる」は劇的な変化です。
D値(D-XX)
建材・部屋の遮音性能を示す指標。D-50なら「壁を介して50dB音圧が下がる」イメージ。D-50で日常会話レベルなら隣室にほぼ聞こえない、D-65だと大音量楽器でもほぼ気にならないレベル。マンションは概ねD-50前後、防音工事ありでD-55〜70を狙います。
L値(L-XX)
床の衝撃音遮断性能を示す指標。数値が小さいほど高性能。L-45以下だと足音や物の落下音が階下にほぼ伝わらない。マンションの場合、管理規約で「L-45以下」「LL-45以下」が指定されることが多いです。
STC(Sound Transmission Class)
主にアメリカで使われる遮音性能指標。日本のD値と概念は近いですが算出方法が異なります。海外製品のスペックシートで頻出します。
NC値(Noise Criteria)
室内の暗騒音レベルの指標。NC-25は録音スタジオ級、NC-30は会議室、NC-40は一般オフィス、NC-50は騒がしい場所。配信・録音用途では空調・換気の音をどこまで抑えるかが重要で、NC値で目標を設定します。
RT60(残響時間)
音が 60dB 減衰するまでに要する時間。短いほど "デッド" な響き、長いほど "ライブ" な響き。会議室は0.4秒前後、配信ルームは0.2〜0.3秒、コンサートホールは1.5〜2秒程度が目安です。吸音材の量と種類でコントロールします。

音のメカニズム

空気伝搬音(くうきでんぱんおん)
声・楽器音・テレビ音など 空気を通って伝わる音。質量則(重さ・気密)で対策しやすい音。窓・ドアなど開口部で漏れやすい。
固体伝搬音/構造伝搬音
足音・ドラム・洗濯機の振動など、建物の構造を伝わる音。遮音だけでは抑えにくく、防振(振動の絶縁)が必要。マンションのトラブル原因として多いです。
フラッターエコー
平行する2面の壁の間で音が往復することで生じる "ビビビ" という不快な反響。狭い部屋・板張りの部屋で起こりやすい。吸音材を片面に貼るか、面の角度を変えることで解消できます。
定在波(ていざいは)
部屋のサイズと音の波長が一致したときに発生する 特定周波数の "盛り上がり" や "凹み"。低音域で起きやすく、シアター・スタジオの音質を大きく劣化させる原因。位置と寸法、ベーストラップで対策します。
低周波(ていしゅうは)
概ね 100 Hz 以下の重低音。波長が長く、回り込んで漏れやすく、防音は最も難易度が高い。室外機・ドラム・ベース・ホームシアターなどで問題化しやすい。
質量則(しつりょうそく)
壁の遮音性能は面密度(kg/m²)に比例して上がるという基本原理。同じ材質なら2倍の重さで概ね6dB遮音アップ。ただし重くするだけでなく "気密" と "面の振動を切る工夫" の併用が必要です。

素材・部材

グラスウール
ガラスを繊維状にした 定番の吸音断熱材。中〜高音域の吸音に優れ、コスト・施工性・防火性のバランスが良い。密度(24K, 32K, 48K, 64K…)で性能と用途を調整します。
ロックウール
岩石を繊維化した 耐熱・防火に優れる吸音材。グラスウールより重く、低音側でも効きやすい傾向。スタジオ・スプリンクラーの不要な部屋などで多用されます。
プラスターボード/石膏ボード
壁の下地兼遮音材。多層に重ねて質量を稼ぐのが防音工事の基本。種類により遮音グレードのものや高密度品もあり、組み合わせで性能を伸ばします。
遮音シート
高比重ゴム等の シート状遮音材。プラスターボードと組み合わせて、薄い壁厚で遮音性能を稼ぐ用途に。
吸音パネル
壁・天井に貼って 反響を整える化粧吸音材。意匠性の高い表面材を組み合わせ、オフィス・店舗・住宅でデザインを損なわず吸音できます。マヤ商会では用途・サイズオーダー対応も可能です。
浮き床(うきゆか)
既存床の上に防振ゴム等を介してもう一層の床を作る、固体伝搬音対策の最強手。マンションで打楽器を扱う場合の標準仕様。床高が上がるのでドアや家具との干渉を要計算。
二重窓/インナーサッシ
既存窓の内側にもう一つ窓を追加する手法。空気層が遮音と断熱を同時に担い、コストパフォーマンスが高い。賃貸でも管理組合次第で導入できる場合あり。

工法・施工

ルームインルーム(部屋in部屋)
既存の部屋の中に もう一つ独立した "箱" を建てる 最高グレードの防音工事。床・壁・天井すべてが既存躯体から絶縁され、楽器スタジオ・ライブハウス・配信スタジオで採用されます。
差し目地工法(さしめじこうほう)
マヤ商会が得意とする 意匠性の高い吸音内装の工法。木材・金属・塗装仕上げに見える表面の "目地" の奥に吸音層を仕込み、見た目を損なわず音だけ整えます。詳しくは 差し目地工法のページへ。
組み立て式防音室
工事ではなく パネル組立で設置できる防音ブース。賃貸で原状回復したい・引っ越しで持ち運びたい場合に最適。設置スペース・搬入経路・遮音グレードで選びます。組み立て式防音室の詳細
原状回復可能工法
ビス・釘・接着剤を使わず、退去時に元に戻せる防音工事。パネル設置・突っ張り構造・表面材の貼り直しなどで実現。賃貸住宅や店舗で重要。
現地調査(げんちちょうさ)
設計の前提を固めるため、実際にお部屋の寸法・構造・隣接環境・搬入経路を確認する工程。30分〜1時間が目安。詳しくは 施工の流れを参照してください。

用途・部屋名

ピアノ防音室
アップライト/グランド/電子ピアノに対応する防音工事。打鍵による振動と空気伝搬音の両方を抑える必要があり、住戸タイプ別に最適解が異なります。ピアノ防音工事の詳細
ホームシアター/オーディオルーム
映画・音楽鑑賞用の専用ルーム。低音・サラウンド・吸音バランス・遮音すべてを最適化。ホームシアターの詳細
配信ルーム/収録ルーム
マイクが拾うノイズ・反響・空調音まで配慮した、配信・録音特化の防音/吸音設計。配信ルームの詳細
ドラム防音室
最も難易度の高い低音・打撃音への対策。マンションでは防振浮き床が必須となるケースも。ドラム防音の詳細
会議室/オフィス吸音
Web会議の集中力・反響対策・情報セキュリティのための音整備。オフィス防音の詳細