防音、吸音、遮音の違いと効果的な防音対策のポイント

防音対策を検討したときに遮音・防音・吸音という言葉をよく耳にすると思います。

しかし、皆様はこの3つの違いが説明できますか?

新型コロナウイルスの影響もあり、自宅で楽器の練習や演奏環境を整えたい人も増えました。

しかし、自宅での音楽活動は近隣への騒音問題が心配されます。

住宅における騒音トラブルを解決へと導くうえで、まずは、防音対策にまつわる具体的な種類や内容について十分に理解を深めることが重要です。

今回は、防音について正しい知識を得て、効果的な防音対策を施す方法についてご紹介します。

「防音対策にまつわる種類や概要などのポイントを知っておきたい」などの考えを持っている方は、是非参考にしてみてください。

防音 吸音 専門 マヤサウンド

防音・吸音専門


マヤサウンド

マヤ商会株式会社

スタジオ、ホール、映画館、音楽室、オーディオルーム、オフィス、会議室、談話室などの空間の音響にかかわる内装工事を主な事業としており、関西を拠点に北海道から九州まで幅広く防音工事を請け負っています。
2006年の創業から一貫してデザイン性と音質にこだわった音響の内装工事をしてきました。
現在では、そこで培った経験から防音製品も製作・販売しております。

防音の種類とは

防音という言葉には、実はさまざまな要素が含まれています。

そのことを理解することは、効果的な防音対策を施すために重要です。

防音は大きく分けて、遮音、吸音、防振、制振の4つの要素が含まれます。

  1. 遮音(Soundproofing):外部からの音を室内に侵入させないための対策です。防音材を使用して音を遮断し、外部からの騒音を室内に持ち込まないようにします。
  2. 吸音(Sound Absorption):室内で発生した音を吸収し、反響音を減少させる対策です。吸音材を使用して、部屋内の響きを抑えます。
  3. 防振(Vibration Isolation):物体同士の衝突や振動を防ぎ、振動から発生する固体音を低減する対策です。防振材を用いて、振動を吸収・制御します。
  4. 制振(Damping):物体同士の衝突や振動を制御し、振動から発生する固体音を防ぐ対策です。制振材を使用して、振動エネルギーを減衰させます。

これらの要素を組み合わせて、効果的な防音対策を実施します。

音の3要素とは

音 種類

次に、音の3要素についても理解をしておきましょう。

音は、「高さ(音程)」「大きさ」「音色」

この3つの要素によって成り立っています。

同じ「ドレミファソラシド」を鳴らしても、楽器によって違って聞こえる原因は、この3要素にあります。

音は物体が振動することで鳴りますが、このとき振動によって発生するのが、音波と呼ばれる音の波です。

音波は、波形の図で視覚化することができますが、この波形の図を見れば、それぞれの要素がどんなふうに変化しているのかを見て確かめることもできます。

続いて、紹介した音の3要素をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

音の高さ(音程)

音の高さは、音程と呼ばれることもあり、高い音や低い音があります。

音の高さを音波で見てみると、波の数は音の高低に比例して変化します。

この波の数が、周波数といわれるもので、単位はHz(ヘルツ)です。

高音のときは周波数が高くなり、波の数が増えますが、低温のときは周波数が低くなるので、波の数も減るというわけです。

楽器は、周波数を変化させることで、高低をコントロールしています。

たとえば、弦楽器は弦が長く太くなるほど低い音が出ますが、同じ弦を指で押さえることで、さらに音程を変えることができるのです。

通常、人間が認識できるといわれている周波数の範囲は20Hzから20,000Hz。

若い人が不快に感じると話題になったこともあるモスキート音の周波数は、20,000Hzに近い高音だそうです。

音の大きさ

音の大きさは、空気振動の大きさに関係しており、音波は振動に比例して上下に振幅が変化します。

空気振動が大きければ、音も振幅も大きくなり、小さければ、音も振幅も小さくなります。

これは、空気中で圧力の量が変化している現象で、変化の量を「音圧」で表します。

音圧の単位は、Pa(パスカル)といって、天気予報の気圧と同じですが、音をパスカルで表してしまうと、数値が大きくなりすぎて計測できないそうです。

そのため、音の大きさは、音圧レベルの単位であるdB(デシベル)で表します。

テレビ番組の声の大きさを計る企画などで、目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

音色

音色は、音波の質や形の違いに表れます。

周波数や音圧が同じでも、ピアノやドラム、ギターでは、素材や鳴らし方が違うので、それぞれ音波の形も異なり、その違いによって、人は音色を識別しています。

音が鳴るとき、ひとつの音しか聞こえていない気がしますが、実は、2つ以上の倍音と呼ばれる音が鳴っているのだそうです。

楽器でたとえると、基本の音の1オクターブ上が2倍音、さらに1オクターブ上が4倍音となり、楽器を弾いた瞬間の音には、たくさんの倍音が含まれています。

同じ種類の楽器で音色が違ったり、演奏者によって違う音色に聞こえたりするのは、楽器の作りや、演奏者の演奏技術によって、倍音の含まれ方をコントロールすることができるからです。

音の波長や振幅、倍音の含まれ方など、さまざまな要因が複雑に構成されて音色は作り出されています。

より良い防音とは - 遮音と吸音のバランス

遮音

防音対策の中でも、遮音と吸音は音環境を整えるために重要な要素です。

ただし、遮音だけを強化した室内は反響音が残り、吸音だけを行った場合は音が外部に漏れやすくなります。

そのため、適切なバランスで遮音と吸音を施すことが重要です。

例えば、幼稚園、オフィス、公共施設などさまざまな用途の建物では、遮音と吸音をバランスよく施すことにより、より良い音環境を整えることができます。

吸音の仕組みと吸音率

吸音は音(空気音)が吸音材を通過する際に、吸音材の中で音エネルギーが摩擦による熱エネルギーに変換され、音が減衰する仕組みです。

吸音材は多孔質素材であり、空気を通す素材で構成されています。

多孔質であることは、音が素材の中に入り込まないと吸音効果を生まないため重要です。

吸音率は吸音材の性能を表す指標で、入射音から反射音を引いた数値です。

吸音率が高いほど、音を吸収する能力が高まります。

残響時間とは

残響時間は、発せられた音が60dB減衰するまでにかかる時間を表す数値です。

残響時間が短いほど、室内の反響が少ないことを示します。

各周波数帯の反響具合を可視化することにより、具体的な反響音対策を立てるのに役立ちます。

吸音材の使用環境はさまざまで、オフィス、教育現場、オーディオルーム、店舗、コンサートホール、工場などで利用されています。

遮音の仕組みと透過損失

遮音は音を遮音材によって遮断し、外部からの音の侵入や室内からの音の漏れを防ぐ対策です。

遮音材はその材質や質量によって遮音する周波数が異なります。

遮音材の性能を示す指標の一つが透過損失で、入射音から透過音を引いた数値です。

透過損失が高いほど、遮音材が外部からの音を阻止する能力が高まります。

遮音材の性能は周波数帯によって異なるため、適切な遮音材を選ぶ際には目的に合ったものを選ぶことが大切です。

実は、空気の流れと遮音も密接に関連しています。

音は空気の流れによって伝わり、特にドアや窓などの開口部、給気口、換気扇などが音の出入りの場所となります。

近年の住宅では高気密・高断熱の設計が増えており、遮音性能も向上しています。

防振の仕組みと使用環境

防振は物体同士の衝突や振動から発生する振動を制御し、固体音を低減させる対策です。

防振材は柔らかい素材で、衝突時の力を和らげる役割を果たします。

特に、マンションの上階からの足音や振動音は、下階の住人にとって騒音問題となりますよね。

この問題を解決するために、コルクマットやクッション性のジョイントマットなどを使用して、下階への振動音を低減することができます。

制振の仕組みと使用環境

制振は物体同士の衝突や振動によって生じる振動を吸収し、物体から発生する固体音を防ぐ対策です。

制振材は振動エネルギーを減衰させる役割を果たします。

例えば、洗濯機の運転時に生じる振動音は、制振材を使用してカバーに取り付けることで効果的に低減できます。

防音対策の要点 - 適切な防音材の選定と併用

防音対策を効果的に行うためには、適切な防音材の選定が不可欠です。

以下はおすすめの防音材の一部です。

吸音材

ロックウール:吸音性と断熱性が高いが、湿気に弱く価格が高い。

ウレタンスポンジ:吸音性が高く、扱いやすいが価格はやや高め。

チップウレタン:ウレタンスポンジとほぼ同性能でコストが低い。

グラスウール:安価だが扱いにくく、吸音性能はやや低め。

遮音材

遮音シート:ゴム製で安価で効果的、適用が容易。

石膏ボード:重量があるため遮音性が高く、価格が手頃。

防音対策を行う際には、遮音と吸音を併用することが重要です。

吸音材を使用して音の反響を減少させた後に、遮音材を用いて外部からの騒音を遮断します。

設置する順番は、吸音材→遮音材(遮音シート)→壁の順です。

DIYで高い防音効果を実現

以上の知識をもとに、自宅での防音対策を実施することもできます。

DIY要素が高いため、苦手な方は専門家に相談するか、得意な知人の協力を仰ぐことをおすすめします。

自宅で楽器演奏や静かな環境を作りたい方にとって、効果的な防音対策は質の高い生活を実現するための一歩です。

適切な防音材と適切な配置を選び、快適な音楽体験や生活環境を手に入れましょう。

防音の知識を活かして、静かで快適な空間を築くお手伝いができれば幸いです!

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