【防音知識】遮音性能とは？音の種類と遮音性能の関係性や遮音効果を高める方法

音とは空気を通して伝搬する振動のことですが、周囲が静かな時には普段気にならない物音が耳に入りやすく、不快に思うこともあるでしょう。

また、集合住宅に住んでいると、他の部屋との騒音トラブルを体験することもあります。

近年では、在宅時間の増加に伴い近隣の音が気になり始めたという方が多く、遮音性能に優れたアイテムを使って騒音対策を行うことが注目されています。

でも、遮音性能っていったい何なの？という人もいるでしょう。

今回は、遮音性能の基礎知識と自宅の遮音率を上げる方法を解説していきます！

防音に悩んでいる方、テレワークに集中したい方や在宅時間を快適に過ごしたい方は、参考にしてみてください。

遮音性能とは

遮音性能は、何の音を遮る性能かで表し方に違いがあり、各値の数値によって等級が決められています。

ここでは、遮音性能を表す3つの値を解説します。

D値

建具や壁などの性能評価に使われているのはD値、またはDr値で、数値が大きくなると遮音が勝っていると評価されることがポイントです。

一戸建てに対する指標はないとされており、確認できるのは集合住宅における値で、標準の1級でD-50、許容の2級でD-45となっています。

遮音性能がD-50であれば、80デシベルの音を30デシベル抑えられるという計算になり、小さく聞こえる程度という評価になります。

ただし、D値・Dr値は遮音性能の平均値であるため、実際は音の高さによって遮られる音量が変化することを覚えておくと良いでしょう。

L値

L値やLL値、LH値は、床が受ける衝撃に対する遮音性能を意味しており、D値やDr値とは違い、数値が低いと遮音性能が良いことになります。

集合住宅で標準の2級と考えられているL値はL-55で、一戸建てではL-60からL-70です。

T値

ドアや窓のサッシにおける遮音性能はT値で表記され、専用の計算式を用いて一定周波数ごとの値を導き出した上で等級を定めます。

例えば、一戸建てで、500ヘルツ以上の遮音性能が30デシベルを超えるサッシはT-2という等級です。

T-1～T-4までの4種類に分けられ、数値が大きいほど遮音性能に優れているという評価を行います。

遮音したい音の種類についても知っておこう

遮音性能については、値があることがわかりましたが、悩まされている騒音にどの性能が有効なのかを考えることで、より効率的に遮音することができるでしょう。

音は、その伝わり方によって2つに分けられているので、まずはその種類を見ていきます。

人の話し声や動物の鳴き声、乗り物の音、楽器の演奏音など、空気を介して耳に届く音は空気伝搬音です。

一方、

マンションやアパートなどの集合住宅で他階の住民がたてる足音や物音は、固定伝搬音に該当します。

音の種類と遮音性能の関係性

人の声や楽器の音など、空気伝搬音が気になる場合はD値やT値が高い建物にするのが対策として有効です。

一方、集合住宅などで気になる足音や物音など、固定伝搬音を防ぎたいときは、L値が低くなるように設計されている建物を選ぶと良いとされています。

遮音効果を高めるには、建築段階で室内の音を反射できる石膏やコンクリートと、音を吸収する吸音材を合わせて床や壁、天井などに使用することが一般的です。

しかし、このように家の構造を変えるというのは、なかなか難しいですよね。

そんなときは、部屋の遮音性能を上げることができるアイテムを利用するなどの工夫をしてみましょう。

音の発生源と音を聞き取る側の間に遮へい物を設置するだけでも、騒音を抑える効果が高まります。

他にも、遮音性能が高い資材を用いたパネルを壁に取り付けたり、簡易的なパーテーションを設置したりすることも音漏れの減少につながるでしょう。

遮音性能について知識を増やし騒音を防ごう

いかがでしたでしょうか？

この記事を読んでいただくことで、遮音性能とは何かがご理解いただけたと思います。

知識を深めた上で、さまざまなアイテムを積極的に取り入れてみてくださいね。